2006年04月04日

ある卒業・後編

おしゃぶりが行方不明になってしまったので、覚悟を決めた私はポロンに言った。


「ポロン、ちゅっちゅどこかにいっちゃったみたい。ちゅっちゅ無くても寝れるよね。」


「ちゅっちゅは〜!ちゅっちゅ〜!」


やっぱり、ポロンは泣いてしまった。
でも、胸のところをトントンしたり、頭をなでなでしているうちに、時間はかかったけど眠ってくれた。


そして、夜中。


「あーーー!」


ポロンの泣き声で目が覚めた。
半分起きていて、半分寝ているような感じで、「あっ!あっ!」と控えめに泣いている。
しばらくトントンしたり、なでなでしてみるものの、効果がなくて、どうしようと思っていたとき、以前育児書かネットの育児相談の記事で読んだことが、頭に浮かんだ。


「子供の気持ちを代弁してあげればよい」



これが、どんな相談の答えだったのかは、いまだに分からない。



私は、嫌がるポロンを、無理やり赤ちゃんだっこして、ポロンの顔を見て、話し掛けた。



「ポロンは、ちゅっちゅしたかったのね。

 ポロンは、ちゅっちゅ大好きだもんね。

 ちゅっちゅが無いと寂しいね。」



するとポロンは、半分寝たような状態のまま、うんうんとうなずいて、


「うおーん!うおーん!」


と大きな声で泣き始めた。

とても悲しそうな声で、思わず私も泣いてしまった。



半分寝ている状態でも、おしゃぶりをしたくて、いつも安心感を与えてくれるものが無くて、不安な気持ちだったのではないかと思う。
そんなポロンの様子を見ていて、私は胸が苦しかった。


ポロンが泣いている間、私はずっと話し掛け続けた。


そして、ちょっと落ち着いてきたところで、



「ちゅっちゅはなくなっちゃったけど、パパもママもここにいるから大丈夫だよ」



と2回程言ったら、ポロンはまたすーと眠ってしまったのだった。



今思うと、これがポロンと私の「ちゅっちゅ卒業式」だったような気がする。

儀式というか、必ず通り抜けなければならないもののような。




朝起きたポロンを抱きしめながら「ちゅっちゅ無くても寝れてえらかったね」と誉めてあげた。


次の日の朝は、「ちゅっちゅ!ちゅっちゅ!」と言いながら起きて来て、ソファに突っ伏して「ちゅっちゅー!」と言いながら号泣していた。


3日目の朝は、朝起きてくると私に「ちゅっちゅ無くても寝れたよ」と自慢していた。


そんな感じで4〜5日で、ポロンは落ち着いてきた。



その頃、行方不明だった「ちゅっちゅ」が出てきたのだった。


私は区切りとして、これをポロンにゴミ箱に捨ててもらいたいと思った。

ボブは「そんな寝た子を起こすようなことをしなくてもいいんじゃない。
捨てたければ、ミルが捨てればいいだろう」と言っていた。

でも、私は、どうしてもポロンに捨てて貰いたかった。
もし、今度おしゃぶりを見ても、ポロンがまたおしゃぶりをしたいと思わないことを確信したかった。
ただの私のこだわりかもしれないけれど。



あの夜から10日ほどたった3月30日。
ゴミを捨てに行く時に、ふと思った。

3月ももう終わり。
3月は卒業と別れの月だから、今日ポロンにちゅっちゅを捨ててもらおう!


ポロンにちゅっちゅを見せて「ちゅっちゅが出てきたんだけど、もういらないよね」と言ってみた。
一抹の不安があったので、とても押し付けがましい言い方になってしまった。


ポロンはちゅっちゅを見て、一瞬はっとしたけど、

「もういらない。おねえさんだしね」

と言って、ゴミ袋に捨てた。



そして、そのゴミ袋を私がダストシュートに捨てて、2人で


「ばいば〜い!」


と言って手を振ってお別れした。




こうしてめでたくちゅっちゅを卒業したのだった。


ポロンは、ちゅっちゅに頼って安心感を得ることを卒業し、

私はちゅっちゅに頼る育児を卒業した。




案ずるより産むが易し。

考えていたよりも、大変ではなかったように思う。

ただ、それに踏み切るのには、私は勇気がいったけれど。


きっとポロンは、おしゃぶり無しでも眠れるところまで成長していたのだろう。

私は、きっかけ作りをしただけで、ポロンは自力で見事にクリアした。

子供というものは、ちょっとしたきっかけでぐんと成長するものなんだなぁ。

改めて、子供というものは、すごい力を秘めていると思った。


これから先、乗り越えなくてはいけないことが出てくるだろう。

その時は、このことを思い出して、子供の力を信じて、親として対処していきたいと思った。



P4021431.JPG

ワシントンで見たぺんぺん草。
子供の頃、学校帰りに、よく友達と摘んで遊んだなぁ。




子育てブログランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございま〜す!
    ↓↓↓↓↓
子育てブログランキング
posted by ミル at 06:17| ニューヨーク ☁| Comment(14) | TrackBack(1) | ポロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
ちゅちゅ、卒業の儀式が感動ものですね。
私もきっとボブさんのようにそっと捨ててたと思います。
ミルさんの子育てに感動しました。
Posted by パクパク at 2006年04月04日 06:50
ポロンちゃん、ちゅっちゅ、卒業おめでとう!!

上の姪も同じように「ちゅっちゅ」って呼んでて、なかなか離せなかったのですが、どうやってやめたんだろう。

ミルさんの、子供を信じて捨てる儀式をさせる。
感動です。読んでて「おぉおおお!」ってつい言ってしまいました。
Posted by つん at 2006年04月04日 09:52
私にとっても子供にとってもおしゃぶりは神様のような存在です。

上の子もずいぶん長くやっていて、周りの人にいろいろ言われるのが嫌で嫌で。みんなよくないっていうから。

2番目はおしゃぶりは嫌いでガーゼ専門。3番目は今、おしやぶり命です。やっぱりちゅっちゅっていってます。
Posted by 美人社労士? at 2006年04月04日 13:15
☆パクパクさま☆
ありがとうございます。
やっとなんとか卒業できました。

☆つんちゃん☆
ありがとう。
おしゃぶり好きな子って、やっぱり多いのかもね。
妹さんもやめさせるのに苦労されたのかしら?

☆美人社労士さま☆
おしゃぶりさせると、不思議と子供は泣き止みますよね。
おしゃぶりには本当にお世話になりました。
Posted by ミル at 2006年04月04日 19:40
ぽろんちゃん、ちゅっちゅ卒業おめでとう!!
子供の気持ちを代弁っていう話・・・ぴっかりさんの本に出ていたのでしょうか?!同じ本を読んでいたとしたら、びっくり!その方の属している講演会に参加したことがあります。とても興味深いもので私も泣いてしまいました。

今日の東京は20度。K公園の桜は散り始めたよ☆二人目はまだ出てきませーん!このあいだ、陣痛モドキで入院したの。1泊2日(17時間)で5万円強・・・えーん、大出費だぁ
ではまた!!!
Posted by yuri at 2006年04月04日 21:41
私も感動しました。
ポロンちゃんといっしょにミルさんも
確実に成長しているね。
本当に素敵なおかあさんです。
うちのたんたんがボトルを返上したときの
話をTBしますね。
Posted by may at 2006年04月04日 21:48
なんだか感動して泣けました。
ポロンちゃん、えらかったですね。
ミルさんも、すごく辛かったと思います。
でも親子でこうやって色んな経験をして絆や思い出が深まっていくんですね。

自分でちゅっちゅを捨てたポロンちゃん、勇気を出して本当えらかったね。すごいよ。本当にお姉ちゃんだ!!
Posted by mayu at 2006年04月04日 23:12
ポロンちゃん、偉かったね!
すごーくお姉さんになったなぁーって関心しました。
私もミチの断乳の時、すっごく悩んで大変だろうなーって想像してたけど、実際にやってみたらぜんぜんで、逆に寂しいくらいでした。
ちゅっちゅは卒業してしまったけど、また違うモノに出会って、いろんな成長をして行くんですねー。
Posted by マリナ at 2006年04月04日 23:35
☆yuriちゃん☆
ありがとう。
きっとぴっかりさんのネット相談室みたいなので、読んだんだと思う。
yuriちゃん思い出させてくれてありがとう。
毎日、Babyちゃん生まれたかな、yuriちゃん元気かなって考えてます。

☆mayさま☆
ありがとうございます。
たんたんちゃんの記事読ませていただきました。
どの子もどの母も通る道なんだなと改めて思いました。
mayさんの「たぶん明日はもっとラクだよ」という言葉が印象深かったです。

☆mayuさま☆
ありがとうございます。
子育てというのは、本当に親子で山あり谷ありの日々を過ごしているようですよね。

☆マリナさま☆
ありがとうございます。
子供には未知の世界がたくさんあるから、それらに出会うとぐんと成長するんですね。きっと。
Posted by ミル at 2006年04月05日 04:50
ポロンちゃん、ちゅっちゅ、卒業おめでとう!!
私も思わずもらい泣き…
ミルさんとポロンちゃんの勇気をもらい私とJrも頑張ろう♪
Posted by かわうそママ at 2006年04月05日 06:00
おはようございますw
何だかジーンとしてしまいました。こうやって、どんどん成長して行くんですよねw
自分もこうやって育ててもらって来たんだなぁって、うるうるしました。
Posted by ここ at 2006年04月05日 09:12
☆かわうそママさま☆
ありがとうございます。
応援してます!!

☆ここさま☆
そうですよね。
今は母となった私たちも、こうやって母に育ててもらってきたんですよね。
私の記憶にはないけれど、心の奥底にちゃんと記憶されているんでしょうね。
Posted by ミル at 2006年04月05日 19:36
コメント遅れ気味ですみません。

ポロンちゃん、無事にちゅっちゅ卒業できて良かった〜。
でも読んでいて、私まで涙ぐんでしまいました。ぐすん。

これでポロンちゃんはまたひとつお姉さんになったの
ですね。 そしてミルさんもまた親のハードルをひとつ
越えたのですよね。 素敵です。

私もこれから同じよう状況を迎えると思うのですが、
今回のお話はとても参考になりました。 私も
ミルさんのようにやさしくも毅然とした態度で頑張れる
ようにしたいです。
Posted by かめきち at 2006年04月05日 23:58
☆かめきちさま☆
ありがとうございます。
2年以上気になっていたことなので、やっと乗り越えられた!という気分です。
親としてはまだまだですが、これからも迷いつつ悩みつつ日々を過ごしていくんだろうな、と思います。

「コメントが遅れる」なんてことは気にしないでください。
私は、かめきちさんが遊びに来てくださることが、とても嬉しいです。
折角決心されたことがあるのですから、そちらを大切にしてくださいね。
かめきちさんのコメントを見落とさないように気をつけるので、大丈夫です。
Posted by ミル at 2006年04月06日 19:59
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/16108522
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

哺乳瓶返上一日目
Excerpt: たんたんが哺乳瓶をやめられない話は今月たんたんの秘密で書いた。 ばばちゃんと母は
Weblog: たんたん・ねねのバイリンガル語録
Tracked: 2006-04-04 21:50
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。